事務所ロゴの商標出願について  

すえみつ総合特許事務所

この度、自身の事務所ロゴを商標出願することにしました。
それにあたり、先行商標調査~出願手続きを実施しましたので、その概要を簡単にご紹介します。

目次

商標出願の対象;特許事務所のロゴについて

1.商標(マーク)

今回商標出願する対象は以下の事務所ロゴですが、①文字と②図形との結合商標となります。

① 文字:「すえみつ総合特許事務所」
② 図形:「電球と鉛筆(の特徴的な組合せ)」

すえみつ総合特許事務所

図形のみ、又は文字のみの商標で出願すべきか悩みましたが、「使用する態様で商標出願すべき」との原則のもと、結合商標で出願することにしました。

2.指定商品又は指定役務

私は弁理士として、知的財産権に関するサービス(役務)の提供を業としています。
願書に記載すべき指定役務名やその区分、類似群コードは、「商標法施行規則6条別表(リンク:商標法施行規則 | e-Gov法令検索)」に例示されています。
該表や、他の特許事務所の登録商標等を参照としながら、以下の区分・指定役務として出願することにしました。

※区分:手続きに際して費用を確定するもの
 指定役務:権利範囲を確定するもの
 類似群コード:審査において、商品又は役務の類否判断に用いるカテゴリー(後述)

先行商標調査 

1.商標調査の意義と概要

商標出願にあたっては、何と言ってもまずは先行商標調査が必要です(理由は以下)。

・出願しようとする商標と類似する他人の登録商標が既にあれば登録ができない
・出願(使用)しようとする商標が他人の商標権を侵害する可能性

商標調査において、以下2つの観点で類否を判断します。

① 同一又は類似の商品・役務の範囲同じ類似群コード+備考類似)において、
② 同一又は類似の先行商標外観、称呼、観念のいずれか類似するもの) があるか。

①の指定役務の類似群コードは、上表で示した通り「42R01 or 42R02」です。
ちなみに、備考類似は「類似商品・役務審査基準(類似商品・役務審査基準〔国際分類第12-2024版対応〕)」 の最後の方にある「備考類似商品・役務一覧表」で確認できますが、区分:第45類に備考類似はありません。 

②ですが、出願商標が文字と図形との結合商標ですので、文字、図形それぞれ分離して調査を実施します。
(文字と図形が一体不可分として表されている等の場合は、分離判断しないこともある)

2.文字部分の調査

出願商標における文字部分は「すえみつ総合特許事務所」であり、指定役務との関係から識別力を有すると考えられる部分は「すえみつ」です。

この「すえみつ」に対して、J-Platpatの「商標検索」画面で、以下のように「称呼(類似検索)」をしてみます。

結果は、ヒット「0」件でした。文字部分に関しては問題なさそうです。
(「すえみつ」なんて珍しい苗字ですし、弁理士もニッチな職業なので、ヒットしないことは薄々わかっていました。)

3.図形部分の調査

図形部分は、電球と鉛筆を組み合わせた構成で、それぞれ形状に特徴があります。
図形商標に関しては、特許庁が図形の特徴に付与した分類;「図形等分類」に基づいて調査します。
※ここでは、実際に行った調査で用いた分類を一部省略しています。

まず、J-Platpatの「図形等分類表」画面で、対象となりそうな図形特徴をスクリーニングして抽出します。
例えば、今回の図形では、①用途的な特徴;「電球、鉛筆」と、②形状的な特徴「○、△等」を示す分類をそれぞれ抽出しました。

鉛筆に関する抽出例;
A20.1.3 鉛筆、ペン、ペン先、万年筆、フェルトペン、A26.3.23 角を構成する線又は帯、A26.3.16 その他の図形要素を内包する三角形、A26.11.12 曲線又は曲がった帯(A26.11.13を除く)、A26.11.21 スピード又はスピード感のある線…

抽出した図形等分類について、J-Platpatの「商標検索」画面で、例えば以下のように入力すると、約400件弱ヒットします(実際は2000件くらいチェック)。

以下のような商標はありましたが、電球と鉛筆を組み合わせた商標は無い結果でしたので、図形部分についても類似される可能性は小さいと考えます。(ちなみに、使用する前にこの調査は実施済みでした。念のため)

商標出願手続き

上記調査から登録可能性は高そうですので、電子(インターネット)出願手続きに進みます。
※インターネット出願ソフトは以下リンクから取得できます。
電子出願ソフトサポートサイト(外部サイトへリンク)

電子出願ソフトには以下サポートサイトがあり、そこから入手した願書のひな形に基づいて、必要事項を記入します。
※HTML形式での作成や、図面のサイズ制限・リンクでの添付要などのルールがあります。
https://www.pcinfo.jpo.go.jp/

以下のような願書を作成して、電子出願ソフトに入力⇒特許庁に送信して出願完了です!

(出願人情報や手数料情報は省略)

※お問い合わせやご相談は、以下リンクのフォームからお申し込みください。

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